モデルにドライブの中を見せない:AI が操作するデスクトップアプリのパスとプライバシーのルール
AI アシスタントが KwaFlux に送るものと返るもの。開く前にネットワークパスを拒否し、出力は元ファイルの隣に保存、ログにパラメーターを残さないしくみを解説。
要点
- AI アシスタントが KwaFlux を使うとき、どのファイルを処理するかを KwaFlux に伝えるのはアシスタントです。返す情報は最小限にとどめています。タスク ID、状態、出力ファイルの名前だけで、パスやフォルダーの中身の一覧は返しません。
- ネットワークパスは、KwaFlux が何かを開く前に拒否します。Windows では、開いただけでサインインの資格情報が別のマシンに送られることがあるからです。
- 出力は元のファイルと同じ場所に書き出し、同じ名前のファイルがすでにある場合は、それを上書きせず、新しいファイルのほうに番号付きの名前を付けます。
- AI からの呼び出しについて KwaFlux の利用状況テレメトリが記録するのは、メソッド、結果、所要時間、タスク ID だけで、パラメーターは一切記録しません。
デスクトップアプリを操作する AI アシスタントは、あなたにとって大切な 2 つのもの、つまりあなたのファイルとクラウドのモデル提供元の間に位置しています。アプリがアシスタントに返したものはすべて、その提供元に送られる会話の一部になります。そのため KwaFlux は、受け付けるパス、書き出す場所、報告する内容の 3 点に気を配っています。
この記事では、KwaFlux のツール呼び出しで何が入り何が出るのか、AI エージェントにとってネットワークパスが危険な理由、アシスタントが出力フォルダーを選べない理由、そして AI からの呼び出しについて KwaFlux が記録する内容を解説します。
目次
- AI アシスタントはあなたのファイルについて何を知るのか?
- 入るもの、出るもの
- ネットワークパスを最初に拒否する理由
- フルパス、ローカル、そして二重のチェック
- 結果の書き出し先
- 許可リストから組み立てる結果
- AI からの呼び出しについて KwaFlux が記録すること
- それでも AI の提供元に届くもの
- よくある質問
AI アシスタントはあなたのファイルについて何を知るのか?
AI アシスタントが知るのは、あなたがチャットに入力したり貼り付けたりした内容、アシスタント自身のツールがパソコン上で読み取れるもの、そしてアシスタントが呼び出したアプリから返されたものです。
KwaFlux が制御できるのは最後の部分だけです。KwaFlux のルールは、アシスタントが結果を報告して作業を続けるのに必要なものだけを返し、それ以上は返さないことです。
入るもの、出るもの
動画のファイル修復の最初のステップである診断の依頼を例にします。
| 項目 | KwaFlux に入るもの | アシスタントに返るもの | 返さないもの |
|---|---|---|---|
| ファイル | あなたかアシスタントが指定したローカルのフルパス | ファイルの名前 | ファイルがあるフォルダー、同じフォルダー内のほかのファイル |
| 結果 | — | ファイルを修復できるかどうかと、推奨される修復モード | 結果の決まった項目以外のもの |
| タスク | — | タスク ID と状態 | — |
| 出力(ファイルを書き出すジョブの場合) | — | タスクが成功した時点での出力ファイルの名前 | そのフルパス |
アシスタントが確実に知っているのは入力のパスだけです。アシスタント自身が渡したものだからです。KwaFlux はそこに情報を足しません。フルパスを返すことも、フォルダーの中身を一覧にすることも、ユーザープロファイルやほかのファイルの場所を伝えることもありません。
ネットワークパスを最初に拒否する理由
Windows では、\\server\share\video.mp4 のように 2 つのバックスラッシュで始まるパスは、ネットワーク共有を指す UNC パスです。プログラムがこれを開くと、Windows があなたのアカウントでそのサーバーに自動的にサインインしようとすることがあります。
2023 年の Outlook の脆弱性が深刻だったのはこのためです。Microsoft Security Response Center はアドバイザリで、攻撃者のサーバー上にある「SMB(TCP 445)共有への UNC パス」を含むメッセージによって Outlook が接続し、その接続が「ユーザーの NTLM ネゴシエーションメッセージを送信する」こと、そして攻撃者はそれを「ほかのシステムに対する認証のために中継できる」ことを説明しました。クリックは不要でした。
AI アシスタントは、読んだテキストからこうしたパスを渡されることがあります。共有文書の中のファイル名、Web ページの 1 行、貼り付けられたメッセージなどです。KwaFlux がそれを開けば、動画の解像度を読み取るだけだとしても、Windows がサインインを始めてしまうかもしれません。そこで KwaFlux は、ファイルの読み取りに失敗してからではなく、ファイルにアクセスする前にネットワークパスを拒否します。
フルパス、ローカル、そして二重のチェック
パスのルールは短いものです。
- フルパスのみ。
..\clip.mp4のような相対パスは「カレントディレクトリ」に左右されますが、バックグラウンドのプロセスでは、それがあなたの思っている場所とは限りません。Microsoft のパスに関するドキュメントによると、ドライブとバックスラッシュのないパスや..を含むパスは、カレントディレクトリを基準に解決されます。KwaFlux は推測せず、フルパスを求めます。 - ローカルのみ。 UNC パスなどのネットワーク上の場所は拒否します。
- 両方のプロセスでチェック。 KwaFlux アプリはすべてのパスをチェックします。アシスタントの環境内で動く MCP プロセスも、出力サイズを選ぶために動画の解像度を読むなど、自分で何かを読み取る前に同じ方法でチェックします。メディア情報を読み取るときは、ローカルのファイルプロトコルだけを使います。
2 つ目のチェックが重要なのは、以前のバージョンのあるエンハンスツールが、依頼がアプリのチェックに届く前に、MCP プロセスの中で入力ファイルの情報を読み取っていたからです。これは修正済みで、現在は MCP 側が先に同じルールを適用します。
結果の書き出し先
アシスタントが選ぶのは何を処理するかであって、結果をどこに置くかではありません。
- 元のファイルの隣に。 変換、修復、高画質化したファイルは、元のファイルと同じフォルダーに書き出されます。アシスタントが出力先をスタートアップフォルダーや同期中の共有フォルダーなど、別のフォルダーに向けることはできません。
- 黙って上書きしない。 そこにすでに
clip.mp4があれば、新しいファイルはclip(1).mp4になります。あなたが書き出すときにアプリが使うのと同じルールです。 - 再送を見分ける。 タイムアウトのあとなどにアシスタントが同じ依頼を 2 回送っても、ジョブがもう 1 つ作られることはなく、元のタスクが返されます。
リンクからのダウンロードは別です。ダウンロードは既存のフォルダーに保存され、毎回確認 では承認ポップアップにそのフォルダーが表示されます。
許可リストから組み立てる結果
KwaFlux がアシスタントに送る結果はどれも、エンジンが出力したものをそのまま渡すのではなく、決まった項目のリストから組み立てています。これにより、内部のパス、デバッグ出力、ほかのユーザーやほかのアシスタントの詳細など、モデルに渡すつもりのないものを締め出しています。
特にタスクの一覧には、いくつかのルールがあります。
- タスクは新しい順に並ぶので、一覧が途中で切れても、アシスタントには最近のタスクが見えます。
- 出力があると示すのは成功したタスクだけで、出力ファイルの名前も返します。キュー待ちのタスクや失敗したタスクが、何かを作り出したと主張することはありません。
- 一覧は、このアシスタントが送ったタスクだけに絞り込めます。
動画のタイトルなど Web から来るテキストは、モデルに届く前に追加の除去処理を受けます。これは Web 動画のタイトルに潜むプロンプトインジェクションで解説しています。
AI からの呼び出しについて KwaFlux が記録すること
| 場所 | 記録するもの | 記録しないもの |
|---|---|---|
| 利用状況テレメトリ | 呼び出されたメソッド、結果、所要時間、タスク ID | パス、リンク、ファイル名、そのほかのパラメーター |
| 設定の 最近のエージェント操作 | 接続中のアシスタントと、それらの直近 200 件の呼び出し | パラメーター |
| アプリのタスクリスト | タスクと、どのアシスタントが送ったかを示すタグ | — |
アクティビティ一覧は、アシスタントが何をしてきたかをあなたが確認するためのものです。画面上がファイル名の記録にならないよう、あえてパラメーターを省いています。KwaFlux のデータの取り扱い全般については、プライバシーポリシーをご覧ください。
それでも AI の提供元に届くもの
この境界は正直に伝えることが大切です。KwaFlux はメディアをあなたのパソコンで処理します。AI 処理はご自身の GPU 上で実行され、メディアファイルが処理のためにアップロードされることはありません。ただし、アシスタントとのチャットは、いつもどおりそのアシスタントのモデル提供元に送られます。D:\Clients\Acme\contract-video.mp4 と入力すれば、あなたが入力したのですから、提供元にはそのパスが見えます。
ファイル名そのものが機密にあたる場合は、依頼する前にファイル名を変えるか、当たり障りのないフォルダーに移してください。KwaFlux は会話にすでに含まれている以上の情報を足しませんが、あなたが入れたものを取り除くことはできません。
補足: MCP の仕様には Roots という機能があり、ユーザーが対象と考えるフォルダーをホストがサーバーに伝えられます。パスを Roots の範囲に限定することも検討しましたが、ホストが宣言するのはたいていコードのワークスペースで、動画がそこに置かれていることはほとんどありません。また、仕様の 2026-07-28 版では Roots が非推奨になっています。使うとしても、任意の追加制限という位置づけになります。
まとめ
モデルが受け取るのは、あなたが渡したパスと、短く構造化された答えだけです。フォルダーの中身の一覧も、出力のフルパスも返さず、モデルの代わりにネットワークパスを開くこともなく、ログにパラメーターも残しません。結果は元のファイルの隣に置かれ、既存のファイルを置き換えることはありません。あとは、あなたがチャットに何を入力するかしだいです。
ファイルはパソコンの中に
KwaFlux のローカル MCP サーバーを使うと、Codex、Claude、Cursor などの MCP アプリが、ファイルをその場所のまま処理し、結果をその隣に書き出せます。Windows 10(64 ビット、バージョン 1809 以降)、Windows 11、Apple Silicon 搭載の macOS 12 以降で動きます。ファイルの読み込みやアプリの操作にアカウントは不要です。ログインと有料プランが必要なのは、書き出し、変換、ファイル修復、リンクからのファイルダウンロードだけです。
お手元の素材で効果を試す
KwaFlux を入手し、支払う前にお手元の素材で効果を無料プレビュー。アカウント不要で、処理はお使いの GPU で行い、処理のためにメディアをアップロードすることはありません。 動画のプレビューは 1、3、または5 秒、手ぶれ補正のプレビューは 5、15、または30 秒から選べます。
よくある質問
AI アシスタントにファイルパスは見えている?
見えています。あなたが入力したり貼り付けたりしたパスと、アシスタント自身のツールが見つけたパスです。よく設計されたアプリは、それ以上を足しません。返すのはファイル名と結果で、フルパスやフォルダーの中身の一覧は返しません。チャットの文章は、アシスタントのモデル提供元に送られます。
AI エージェントにとってネットワークパスが危険なのはなぜ?
Windows では、UNC パスを開くと、システムがあなたのアカウントでそのサーバーに自動的にサインインすることがあるからです。エージェントは読んだテキストからこうしたパスを渡されることがあるため、アプリは何かを開く前にネットワークパスを拒否するべきです。
AI エージェントにファイルの保存先を選ばせてもいい?
たいていは選ばせるべきではありません。モデルにフォルダーを選ばせると、モデルを誘導できるものなら何でも、スタートアップフォルダーや同期中の共有フォルダーに書き込んだり、既存のファイルを上書きしたりできてしまいます。元のファイルの隣に書き出し、名前が重なれば自動で変えるほうが、結果を予測しやすくなります。
ツールの結果でいう「項目の許可リスト」とは?
サーバーが、裏で動くプログラムが返したものをそのまま転送するのではなく、名前の決まった項目の固定セットから結果を 1 つずつ組み立てることです。デバッグ出力や内部のパスなど、リストにないものはモデルに届きません。
ローカルの MCP サーバーはファイルをクラウドに送る?
たいていは送りません。ローカルのサーバーはディスク上のファイルを扱います。ただし、アシスタントとの会話は、そのモデル提供元に送られます。ローカルのチャネルを守るしくみをご覧ください。
参考資料
- Microsoft Security Response Center, "Microsoft Mitigates Outlook Elevation of Privilege Vulnerability" (March 14, 2023; UNC path to an SMB share, NTLM negotiation message) (2026-10-25 閲覧)
- Microsoft Learn, "Naming Files, Paths, and Namespaces" (UNC names; fully qualified vs. relative paths) (2026-10-25 閲覧)
- Model Context Protocol, "Specification" (2026-07-28; Data Privacy) (2026-07-28 閲覧)
- Model Context Protocol, "Roots" (2026-07-28; deprecated, informational rather than access control) (2026-07-28 閲覧)


