動画の人物を一人ずつ別々にレタッチする方法:全員に同じ美顔をかけない
集合ショットでは、同じ美顔設定が全員に合うとは限りません。人物ごとに肌・メイク・顔の設定を分ける方法と、ぼやけた顔を先に修復する理由を解説します。
要点
- すべての顔に同じ美顔設定をかけても、全員に合うことはまずありません。肌、年齢、メイク、どう見せたいかは人それぞれです。
- 人物ごとのレタッチでは、まずクリップに誰が映っているかを特定し、そのうえで一人ひとりに別々の設定を割り当てます。
- ぼやけた顔やノイズの多い顔は、レタッチの前に修復しましょう。ぼやけた顔をレタッチしても、なめらかなぼやけになるだけです。
- 控えめにとどめ、人の見た目、特に顔の形を変える前には本人に確認しましょう。
- 従来の編集ソフトでも、顔ごとにトラッキングしたマスクを 1 つずつ使えば可能です。AI ツールならトラッキングを任せられます。
はい、動画に映る人物ごとに違うレタッチをかけることはできます。ツールがまずクリップ全体で誰が映っているかを割り出し、そのあと人物を選んで、その人だけの肌・メイク・顔の設定を決められます。ほかの人は自分の設定のまま、あるいは手を加えないままです。
これで、ある人に合わせた設定が別の人をろう人形のように見せたり、厚化粧に見せたりする、集合ショットにありがちな問題が解決します。この記事では、人物ごとのレタッチが必要になる場面、AI と手作業それぞれのやり方、ぼやけた顔を先に修復すべき理由、そしてどこで手を止めるべきかを解説します。
目次
- 1 つの設定がすべての顔に合わない理由
- どの方法を選ぶか
- 方法 1:AI で一人ずつレタッチする
- 方法 2:顔ごとにマスクを手作業でトラッキングする
- レタッチの前にぼやけた顔を修復する
- KwaFlux での手順
- よくあるトラブルと対処
- どこで手を止めるか
- よくある質問
1 つの設定がすべての顔に合わない理由
人物ごとのレタッチとは、すべての顔に 1 つの設定をかけるのではなく、同じ動画に映る人それぞれに違う美顔設定をかけることです。 画面に映る人同士に違いがあれば、それだけで必要になります。
- 肌。 ニキビ跡がある人もいれば、小じわがある人も、直すところがない人もいます。肌トラブルを消せるほど強いスムージングは、その必要がなかった肌までのっぺりさせてしまいます。
- メイク。 すでにメイクをしている人にリップを足すとやりすぎに見えますが、すっぴんの人は足したいかもしれません。
- 年齢とスタイル。 年配のインタビュー相手には、質感を残した軽いレタッチが合います。司会者には明るめの仕上がりが合うこともあります。男性と女性で望むスタイルが違うこともよくあります。
- 同意。 そもそもレタッチされたくない人もいます。
よくあるのは、ゲスト 2 人のインタビュー、結婚式や家族の動画、カップル Vlog、複数人での製品デモ、共演者のいるライブ配信のアーカイブです。
どの方法を選ぶか
| 方法 | 仕組み | 向いている場面 | 制約 |
|---|---|---|---|
| AI による人物ごとのレタッチ | 誰が映っているかをスキャンし、人物ごとに 1 セットの設定を持たせる | 複数人、長いクリップ、動き回る人 | とても小さい顔、横向きの顔、隠れた顔は検出されないことがある |
| 顔ごとにトラッキングしたマスク | マスクを描いてトラッキングし、その内側をレタッチ。これを人数分繰り返す | 手作業で細かく調整したい場合 | 時間がかかる。顔の向きが変わるとトラッキングがずれる |
| 全員に 1 つの設定 | どこでも同じレタッチ | 出演者が 1 人だけの場合や、全員同じ軽い仕上がりでよいグループ | 特定の人だけ外すことができない |
方法 1:AI で一人ずつレタッチする
大まかな流れは次のとおりで、KwaFlux もこの流れに沿っています(手順は後述)。
- クリップをスキャンする。 ツールが 1 フレームだけでなくクリップ全体から別々の人物を見つけ出すので、顔をそむけてまた戻った人も同じ人物として扱われます。
- 並んだ顔写真から 人物を選ぶ。
- 肌、メイク、レタッチスタイル、顔立ち、顔の形といった その人の効果を設定する。
- 次の人物を選び、その人用の設定を割り当てる。手を付けなかった人はそのままです。
- 一緒に映っている場面を プレビュー してから書き出す。
方法 2:顔ごとにマスクを手作業でトラッキングする
DaVinci Resolve のようにマスクとモーショントラッキングを備えた編集ソフトなら、顔を 1 つずつ処理できます。
- 1 人目の顔の周りに図形を描き、ショット全体でトラッキングします。
- その図形の内側にだけ、ソフトニングや色の調整をかけます。
- 次の人物には、新しいレイヤーかノードで同じ作業を繰り返します。
DaVinci Resolve Studio の Face Refinement(顔の補整機能)を使えば一部を自動化できますが、1 つのノードで扱える顔は 1 つです。人数分のノードを追加する必要があり、顔が真横を向くとトラッキングが外れることがあります。長いクリップでは、トラッキングを手で直す手間を見込んでおきましょう。
レタッチの前にぼやけた顔を修復する
美顔の効果は、ある程度くっきりした顔を前提に作られています。ぼやけた顔、ノイズの多い顔、強く圧縮された顔にスムージングをかけると、わずかに残った質感まで消えて、プラスチックのような仕上がりになります。そこで、次の順番で作業します。
- クリップを 修復 する:ノイズを除去し、シャープにして、顔のディテールを復元します。
- 修復したクリップを レタッチ する。
顔の復元とレタッチは別物です。復元は、目、まつげ、唇の輪郭など、ぼやけや圧縮で失われたディテールを作り直す処理です。レタッチは、そうしてくっきりした顔の肌やメイクを整える処理です。
KwaFlux での手順
ステップ 1:顔がぼやけていればクリップを修復する。 動画を読み込みます。画質チェックで明瞭さや清浄さが低いと出たら、画質修復 を開いて スマート修復 をかけます。ノイズ除去やシャープ化と一緒に、顔も自動で復元されます。書き出すと、結果は元のクリップの下に新しいバージョンとして追加され、元のファイルはそのまま残ります。次のステップでは、この修復したバージョンを使います。
ステップ 2:対象の人物を選ぶ。 AI ビューティー を開きます。対象の人物 で、次のどちらかを選びます。
- すべての顔:人物を選ぶ必要はなく、すべての顔に下の設定がかかります。
- 個別に調整:KwaFlux がクリップをスキャンして、誰が映っているかを特定します。スキャンが終わるまで効果は設定できません。
ステップ 3:人物を選ぶ。 スキャンが終わると、人物ごとに顔写真(人物 1、人物 2…)が、検出された回数とともに表示されます。顔写真をタップすると、プレビューがその人の映っているフレームに移動し、ここから設定する内容はその人だけに適用されます。
ステップ 4:その人の効果を設定する。 その人に必要なものを重ねていきます。
| カテゴリー | 効果 |
|---|---|
| 肌質 | スムーズ、ニキビ除去、シミ除去、赤み除去、クマ除去、目袋除去、しわ除去、テカリ除去、血色、質感、小麦色 |
| メイク | リップ、リップグロス、マットリップ(ローズウッド、クラシックレッド、ヌードピンク、コーラル、ベリーなどのリップカラー)、チーク、眉、アイシャドウ、アイライナー、まつげ、コントゥア、ファンデーション、ナチュラルメイクなどのフルメイク、メイクオフ |
| 全体レタッチ | 上品、スタジオ、透明感、ツヤ肌、華麗などのスタイル。ジェンダースタイルは自動(顔ごと)、女性、男性から選択 |
| 顔立ち | ロングラッシュ、細眉、太眉、キューピッドボウ、えくぼ |
| 顔の形 | 小顔、目を大きく、鼻を細く、鼻を高く、ふっくら唇 |
| ヘアカラー | ゴールデンブロンド、オーバーン、アッシュブロンドなどの髪色 |
効果ごとに強さのスライダーがあります。ニキビ除去のように特定の悩みに向けた効果は、その悩みがある部分だけを変えます。ニキビのない顔ではほとんど変化しませんが、それで問題ありません。美白・トーンアップには、華麗(肌を明るく、目元をより印象的に)や 透明感(澄んだ透明感のある肌)のレタッチスタイルを使い、ファンデーション を重ねて肌のトーンを整えます。
ステップ 5:次の人物に移る。 別の顔写真をタップして、その人の見た目を設定します。個別調整済み のマークで、誰に設定済みかがわかります。いつでも顔写真をタップし直せば、その人の設定に戻れます。
ステップ 6:プレビューして書き出す。 人物が一緒に映っている場面を 1・3・5 秒でプレビューし、見比べます。いくつもの AI 効果がフレームごとに処理されるので、効果をたくさん重ねるほど書き出しに時間がかかります。
とても短いクリップや顔が小さすぎる場合など、安定して人物を特定できないときは、KwaFlux がその旨を表示し、効果をすべての顔にかけます。再スキャン を試すか、すべての顔 に切り替えて、全員に共通の軽い仕上がりにしましょう。
よくあるトラブルと対処
| 問題 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 同じ人が 2 人として表示される | 角度、光、メガネの有無が大きく変わった | 両方に同じ設定をする |
| 一覧に表示されない人がいる | 顔が小さすぎる、横向き、または映っている時間が短い | すべての顔で全員に軽い仕上がりをかけるか、そのままにする |
| レタッチした顔がプラスチックのように見える | ぼやけた顔やノイズの多い顔に強いスムージング | 先に修復する。スムーズを弱め、質感を足す |
| メイクが二重に見える | その人がすでにメイクをしている | その人には軽めのメイクにするか、メイクなしにする |
| 動くと顔の形が揺らぐ | 速い動きや横を向いた顔に強い形状設定 | 顔の形は弱めにするか、使わない |
| 書き出しが遅い | フレームごとの AI 効果が多い | 変化の少ない効果を外す |
どこで手を止めるか
- 先に確認する。 他人のレタッチ、特に顔の形を変えることは、その人の見せ方を変えることです。本人の同意を得ましょう。ニュース、ドキュメンタリー、証拠映像に映る人はレタッチしないでください。
- その人らしさを残す。 肌トラブルや疲れた目元は整えても、別人のようにはしないことです。
- ある人には控えめに、ある人には何もしない のが、いちばん自然な仕上がりになることもよくあります。AI 美顔のレタッチスタイルをご覧ください。
まとめ
集合ショットには、1 つの美顔設定では足りません。ぼやけた顔は先に修復し、クリップをスキャンして、一人ひとりに必要なものだけをかけ、レタッチを望まない人はそのままにしておきましょう。自然な仕上がりとは、1 つの強いレタッチではなく、いくつもの軽いレタッチの積み重ねです。
映っている全員に、その人らしい仕上がりを
KwaFlux の AI ビューティーは、動画に映る人物を特定し、一人ひとりを別々の設定でご自身のパソコン上でレタッチします。メディアファイルが処理のためにアップロードされることはありません。Windows 10(64 ビット、バージョン 1809 以降)、Windows 11、Apple Silicon 搭載の macOS 12 以降で動きます。ファイルの読み込みやアプリの操作にアカウントは不要です。ログインと有料プランが必要なのは、書き出し、変換、ファイル修復、リンクからのファイルダウンロードだけです。
お手元の素材で効果を試す
KwaFlux を入手し、支払う前にお手元の素材で効果を無料プレビュー。アカウント不要で、処理はお使いの GPU で行い、処理のためにメディアをアップロードすることはありません。 動画のプレビューは 1、3、または5 秒、手ぶれ補正のプレビューは 5、15、または30 秒から選べます。
よくある質問
1 本の動画で人によって違う美顔フィルターをかけられる?
はい。人物ごとのレタッチに対応したツールは、クリップ内の一人ひとりを特定し、人物ごとに別々の設定を保持します。従来の編集ソフトでも、顔ごとにトラッキングしたマスクを 1 つずつ使えば同じことができます。
グループ動画で一人だけレタッチするには?
その人を選んで効果を設定し、ほかの人には何も設定しないでおきます。マスクを使う場合は、その顔だけをトラッキングし、効果をマスクの内側に限定します。
ぼやけた顔に美顔をかけると悪化するのはなぜ?
ぼやけた顔に残るわずかな質感をスムージングが消してしまい、ろう人形のように見えるからです。先にぼやけとノイズを修復し、そのあと軽くレタッチしましょう。
顔の向きが変わっても美顔レタッチは効く?
ほとんどの場合は効きます。正面や斜め 45 度の顔はうまくいきますが、真横の顔、手で覆われた顔、とても小さい顔は難しくなります。顔をすばやく振り向けるクリップでは、顔の形を大きく変える設定は使わないようにしましょう。
動画に映る他人をレタッチしてもいい?
本人が同意していれば、たいていは問題ありません。個人の動画やプロモーション動画で肌を軽く整えるのはよくあることですが、同意なしに顔立ちを変えるのは本人に対して公正ではなく、ニュースやドキュメンタリーでは許されません。
参考資料
- Blackmagic Design, "DaVinci Resolve Studio 20 Features" (Face Refinement listed as a Studio feature) (2026-10-27 閲覧)
- Blackmagic Design Forum, "Face Refinement - multiple face" (one Face Refinement per face, parallel nodes) (2026-10-27 閲覧)
- Society of Professional Journalists, "SPJ Code of Ethics" (avoid distorting visual information; label altered images) (2026-10-27 閲覧)
