Topaz Starlight を解説:Mini、Sharp、HQ、Precise の違い、ローカルかクラウドか、必要な VRAM
Topaz Video の Starlight モデルを Topaz の公式ドキュメントから整理。各モデルの用途、GPU で動くものとクラウド専用のもの、必要な VRAM とメモリを解説します。
要点
- Starlight は、Topaz Video に搭載されたアップスケールと復元用の拡散モデルのシリーズです。Mini、Sharp、Fast 2、HQ、Precise の 5 つがあります。
- Windows では、どの Starlight モデルにも 32 GB のシステムメモリと、NVIDIA なら 10 GB 以上の VRAM が必要です。Mini は AMD では 20 GB が必要です。
- Mac でローカルに動くのは Mini と Precise だけです。Mac では Sharp、Fast 2、HQ はクラウド専用です。
- Mini と Precise は、どの Topaz Video ライセンスでもローカルで動きます。Sharp と HQ をローカルでレンダリングするには Pro アカウントが必要です。
- Topaz 自身のドキュメントでも、レンダリングには数時間かかると考えておくこと、プレビューは使わず、代わりに数秒だけ書き出して試すことが勧められています。
Topaz Starlight は、Topaz Video に入っている 5 つの拡散モデルのセットです。Mini は古い低解像度の素材向け、Precise は顔や画質のよいソース向けで、Sharp、Fast 2、HQ はその中間に位置します。どれも Topaz の従来モデルよりはるかに多くのメモリを必要とし、Mac や AMD のグラフィックカードでは、いくつかのモデルがクラウドでしか動きません。
Topaz はこうした情報を複数のドキュメントページと料金ページに分けて載せています。この記事では、各モデルの用途、お使いのパソコンで動くモデル、クラウドを使う場合のコスト、スペックが足りないときの対処を解説します。
目次
- Topaz Starlight とは
- 5 つのモデルの概要
- ハードウェア:パソコンに必要なスペック
- どのプランでどのモデルをローカルで動かせるか
- ローカルでのレンダリング:Topaz が示すルール
- クラウドでのレンダリング
- パソコンが最低要件に届かない場合
- よくある質問
Topaz Starlight とは
Topaz Starlight は、Topaz Video に搭載された拡散モデルベースの動画高画質化モデルのシリーズで、今あるディテールをシャープにするのではなく、ディテールを生成して作り直します。 Topaz は 2025 年初めに、最初の Starlight をクラウド専用のモデルとして発表しました。続いて登場した Starlight Mini を、Topaz は「動画高画質化のための初のローカル向けデスクトップ拡散モデル」と呼んでいます。
拡散モデルは、Proteus や Iris といった Topaz Video の従来モデルより処理が遅く、より多くのリソースを使います。質の低い素材でもよりそれらしい質感を出せる一方で、元の映像にない質感を作り足す部分も多くなります。
5 つのモデルの概要
| モデル | Topaz が挙げる用途 | 向かない用途 |
|---|---|---|
| Starlight Mini | 古い素材や SD 素材。8 mm や 16 mm フィルムから、インターレースを解除した MiniDV まで | 小さな文字が入った素材。水面がのっぺりすることがある |
| Starlight Sharp | 低解像度の素材。小さな顔の再現が向上 | クラウドでの 4K 出力(クラウドの出力は 1080p まで) |
| Starlight Fast 2 | NVIDIA カードで使える、より速いローカルの Starlight | Mac や AMD でのローカル処理(クラウドのみ) |
| Starlight HQ | 中〜高画質のコンテンツ。生成映像でも実写でも | アーカイブ素材。Topaz はこの用途を想定していないとしている |
| Starlight Precise 2.5 / 2.6 | 中〜高画質の素材での顔、肌の質感、素材感、文字。プラスチックのような質感に見える AI 生成クリップも含む | 480p 未満のソースや、動きによるブレが大きいソース |
Topaz Video 1.7.0 で Precise 2.6 が 2.5 に代わり、シャープネスを 3 段階から選べるようになりました。デフォルトのレベル 3 は 2.5 と同じ結果になります。
ハードウェア:パソコンに必要なスペック
以下は Topaz が示す Starlight の動作要件です。Windows では、どのモデルにも Windows 10 または 11、32 GB のシステムメモリ、2020 年より後に発売された AVX 対応の Intel または AMD の CPU が必要です。
| モデル | NVIDIA(Windows) | AMD(Windows) | Mac(Apple Silicon) |
|---|---|---|---|
| Mini | VRAM 10 GB、16 GB を強く推奨。Compute Capability 7 以上 | VRAM 20 GB | macOS 15、M シリーズの Pro、Max、Ultra、メモリ 36 GB |
| Sharp | VRAM 16 GB。Compute Capability 7 以上 | クラウドのみ | クラウドのみ |
| Fast 2 | VRAM 16 GB、32 GB を推奨。Compute Capability 8 以上 | クラウドのみ | クラウドのみ |
| HQ | VRAM 10 GB、12 GB 以上を推奨。Compute Capability 7 以上 | 記載なし | クラウドのみ |
| Precise 2.5 / 2.6 | VRAM 12 GB、16 GB を推奨。Compute Capability 8.9 以上 | VRAM 12 GB、16 GB を推奨 | macOS 26、メモリ 16 GB、24 GB 以上を推奨 |
意外に思われやすい点をいくつか挙げます。
- GTX 10 シリーズと Quadro P シリーズは、 VRAM の量にかかわらず、どの Starlight モデルの対象にも入っていません。Compute Capability が足りないためです。
- Fast 2 では、16 GB の NVIDIA カードは最低要件を満たすだけで、余裕のある構成ではありません。 Topaz は、16 GB と 32 GB とでは画質にわずかな差があるとしています。
- Precise が想定しているのは Compute Capability 8.9、 つまり RTX 40 シリーズ以降です。Topaz によると、8.6 のカード(RTX 30 シリーズ)でも動く可能性はありますが、公式にはサポートされていません。
- システムメモリも VRAM と同じくらい重要です。 VRAM 16 GB のカードを積んでいても、メモリが 16 GB のパソコンでは最低要件に届きません。
VRAM と Compute Capability が実際のどのカードに当たるかは、AI 動画高画質化に必要な GPU をご覧ください。
どのプランでどのモデルをローカルで動かせるか
| モデル | ローカルでのレンダリング | クラウドでのレンダリング |
|---|---|---|
| Mini | バージョン 1.7.0 以降はどの Topaz Video ライセンスでも可(1.6.1 までは Pro が必要) | 可(クレジットを消費) |
| Precise 2.5 / 2.6 | どのライセンスでも可 | 可(クレジットを消費) |
| Sharp | Pro アカウントが必要 | 可(クレジットを消費) |
| HQ | Pro アカウントが必要 | 可(クレジットを消費) |
| Fast 2 | モデルのページには記載なし。料金ページでは、標準の Topaz Video プランでクラウドから使えるモデルとして掲載 | 可(クレジットを消費) |
Topaz の料金ページは、標準プランについて、Precise と Mini はローカル、Sharp、HQ、Fast はクラウドで使える、とまとめています。プランの価格は Topaz Video のレビュー をご覧ください。
ローカルでのレンダリング:Topaz が示すルール
Topaz の各モデルのページには、同じいくつかのルールが載っています。これに従えば、Starlight のレンダリング失敗の多くは避けられます。
- 先にインターレースを解除する。 インターレースの素材(DV、VHS、放送の録画)は、Starlight にかける前にインターレースを解除しておきます。インターレース解除のやり方 をご覧ください。
- Starlight は単独で使う。 Mini と Precise は、ほかのフィルターと組み合わせられません。ノイズ除去や手ぶれ補正も必要なら、一度書き出して読み込み直し、Starlight は別の工程として実行します。
- サイズに注意する。 Mini の入力は 1920 × 1080 以下の正方形ピクセルが推奨で、出力は 1280 × 720〜4K です。Precise は 4K までの入力に対応し、出力の上限は 4K です。
- プレビューは使わない。 Topaz によると、Precise ではプレビューが機能せず、Mini でも推奨されていません。代わりに数秒だけ書き出して試します。
- 数時間かかると考えておく。 Topaz 自身の Mini のページにも、ハードウェアにもよるが、レンダリングには数時間かかると考えておくよう書かれています。バージョン 1.7.0 では、VRAM が 12 GB を超える NVIDIA カードで Mini が最大約 2 倍速くなり、Precise 2.6 は最大 15% 速くなりました。
これらのルールを守ってもレンダリングが落ちたり止まったりする場合は、Topaz Video のクラッシュや処理の遅さへの対処法 で、メモリの設定とログの確認方法を説明しています。
クラウドでのレンダリング
どの Starlight モデルも Topaz のサーバーでレンダリングできます。Mac で Sharp、Fast 2、HQ を使うには、この方法しかありません。知っておきたい点は 3 つです。
- クラウドでのレンダリングにはクレジットを使います。 Topaz Video のプランには、毎月 25 クラウドクレジットが含まれます。追加のクレジットは、20 クレジット $5 から 9,000 クレジット $999 までの単発パックか、毎月のバンドルで購入できます。
- 1 分あたりのコストは、モデルと出力サイズによって変わります。 Topaz のクラウドのページには、価格は定期的に更新され、アプリ内の価格と一致しない場合があると書かれています。ジョブを送る前に、アプリに表示される価格のプレビューを確認しましょう。
- 制限があります。 Mini はクラウドでのレンダリング 1 回あたり最大 5 分で、Sharp のクラウド出力は 1080p が上限です。
クラウドでレンダリングするということは、素材をアップロードするということでもあります。クライアントの素材や家族の映像で気になる場合は、AI 動画処理のローカルとクラウドの比較 をご覧ください。
パソコンが最低要件に届かない場合
32 GB のメモリと 10〜20 GB のグラフィックカードを備えていないパソコンは少なくありません。選択肢は 4 つです。
| 選択肢 | 向いている場合 | トレードオフ |
|---|---|---|
| Topaz の従来モデル(Proteus、Iris など)を使う | すでに Topaz Video を持っている | 質がかなり低い素材では、生成される質感が少ない |
| Starlight のジョブをクラウドに送る | クリップが短く、機密性の高い素材ではない | ジョブごとのクレジット、アップロード、長さの制限 |
| まずメモリを増設する | メモリが 16 GB で、10 GB 以上の NVIDIA カードがある | GPU がすでに要件を満たしている場合にしか効果がない |
| 控えめなハードウェア向けに作られたツールを使う | 今のパソコンでローカル処理をしたい | モデルのラインナップが異なる。設定は試し直しになる |
最後の行の一例が KwaFlux です。Windows では 2016 年以降の GPU(内蔵 GPU も可)、Mac では Apple Silicon で動き、メモリは最低 8 GB(推奨 16 GB)です。内蔵 GPU でも動きますが、4K や長いクリップは処理にかなり時間がかかります。すべての処理をご自身の GPU で行うので、クラウドクレジットを買う必要はありません。1 つのライセンスで 2 台のパソコンに使え、動画だけでなく写真、音声、字幕のツールも含まれます。永久ライセンスの定価は $199.99 で、支払いは 1 回きりです。ロースペック PC 向けの Topaz の代替ソフト では、この観点から複数のツールを比べています。
ハードウェアの最低ラインを並べると次のとおりです。Topaz 側は Starlight の公式要件、KwaFlux 側は公開しているシステム要件によります。
| 項目 | Topaz Starlight(ローカル実行) | KwaFlux |
|---|---|---|
| Windows のシステムメモリ | どのモデルも 32 GB | 最低 8 GB、推奨 16 GB |
| Windows のグラフィックカード | VRAM 10 GB 以上の NVIDIA(Compute Capability 7 以上)。AMD で動くのは Mini(20 GB)と Precise(12 GB)だけ | 2016 年以降の Intel、AMD、NVIDIA(内蔵・外付けどちらも可) |
| Mac | 動くのは Mini(macOS 15、M シリーズの Pro・Max・Ultra、メモリ 36 GB)と Precise(macOS 26、メモリ 16 GB)だけ | macOS 12 以降のすべての Apple Silicon Mac |
| クラウドクレジット | クラウドレンダリングで消費。Topaz Video には毎月 25 クレジット付属 | 不要。すべての処理をご自身の GPU で実行 |
| 価格 | Topaz Video は年額 $299 | 買い切り $199.99(永久ライセンス)、または年額 $99.99 |
両者は同じモデルを使っているわけではないので、この表は画質ではなく、パソコンに求められる条件の比較です。ご自身の映像の同じ数秒で、両方を試してみてください。
まとめ
Starlight は、Topaz のツールの中でいちばん重い処理です。5 つのモデルにはそれぞれ独自のメモリの最低要件と、ローカルかクラウドかのルールがあります。プロジェクトを組む前にハードウェアの表とお使いのパソコンを照らし合わせ、数秒の書き出しで試し、パソコンが対応できない作業のために軽い選択肢も用意しておきましょう。
今お使いのパソコンで使えるローカルの選択肢
KwaFlux は、AI動画エンハンサーによるアップスケールと修復を、2016 年以降の GPU を搭載した Windows パソコンや Apple Silicon 搭載の Mac で実行します。AI 処理はご自身の GPU 上で実行され、メディアファイルが処理のためにアップロードされることはありません。Windows 10(64 ビット、バージョン 1809 以降)、Windows 11、Apple Silicon 搭載の macOS 12 以降で動きます。プレビューにアカウントは不要です。どのクリップでも 1・3・5 秒のプレビューを出せます。ログインと有料プランが必要なのは、書き出し、変換、ファイル修復、リンクからのファイルダウンロードだけです。
関連記事:KwaFlux と Topaz Video の比較
Topaz Labs、Topaz Video、Starlight は Topaz Labs の商標です。KwaFlux は独立した製品であり、Topaz Labs とも Adobe とも提携しておらず、後援や推奨も受けていません。動作要件は、上記の閲覧日時点の Topaz のページから引用したもので、変更されることがあります。
お手元の素材で効果を試す
KwaFlux を入手し、支払う前にお手元の素材で効果を無料プレビュー。アカウント不要で、処理はお使いの GPU で行い、処理のためにメディアをアップロードすることはありません。 動画のプレビューは 1、3、または5 秒、手ぶれ補正のプレビューは 5、15、または30 秒から選べます。
よくある質問
Topaz Starlight はローカルで使えますか?
一部のモデルは使えます。Mini と Precise は、ハードウェアが要件を満たしていれば、どの Topaz Video ライセンスでもローカルで動きます。Sharp と HQ には、Pro アカウントと Windows の NVIDIA カードが必要です。Mac では、Sharp、Fast 2、HQ はクラウド専用です。
Starlight Mini に必要な VRAM はどれくらいですか?
NVIDIA なら 10 GB 以上で、16 GB が強く推奨されています。AMD なら 20 GB 以上です。Windows では、さらに 32 GB のシステムメモリも必要です。Mac では、Topaz は M シリーズの Pro、Max、Ultra チップとメモリ 36 GB を求めています。
VRAM 16 GB のグラフィックカードで Starlight が落ちるのはなぜですか?
多くの場合、ほかの何かが足りていないためです。Topaz は 32 GB のシステムメモリを求めており、Starlight はほかのフィルターを使わず、適切なサイズの入力で実行する必要があります。カードを疑う前に、この 2 点を確認してください。下げるべき設定は クラッシュや処理の遅さへの対処法 にまとめています。
Topaz Starlight は Mac で使えますか?
使えます。ただし、Mac 本体で動くのは Mini と Precise だけです。Mini には macOS 15 と、M シリーズの Pro、Max、Ultra とメモリ 36 GB が必要で、Precise には macOS 26 とメモリ 16 GB 以上が必要です。Mac から Sharp、Fast 2、HQ を使う場合は、クラウドでしか動きません。
Starlight のクラウドレンダリングにはクレジットがかかりますか?
かかります。クラウドでのレンダリングにはクラウドクレジットを使います。Topaz Video には毎月 25 クレジットが含まれ、追加分はパックで販売されています。ジョブを送る前に、アプリに価格のプレビューが表示されます。
書き出す前に Starlight をプレビューできますか?
確実にはできません。Topaz によると、Precise ではプレビューが機能せず、Mini でも推奨されていません。Topaz が勧めているのは、数秒だけ書き出して試し、そのファイルで判断する方法です。
参考資料
- Topaz Labs Docs, "System Requirements" (Topaz Video, Starlight Requirements) (2026-10-29 閲覧)
- Topaz Labs Docs, "Starlight Mini" (2026-10-29 閲覧)
- Topaz Labs Docs, "Starlight Sharp" (2026-10-29 閲覧)
- Topaz Labs Docs, "Starlight HQ" (2026-10-29 閲覧)
- Topaz Labs Docs, "Starlight Precise 2.5/2.6" (2026-10-29 閲覧)
- Topaz Labs, "Pricing" (2026-10-29 閲覧)
- Topaz Labs, "Cloud Render" (2026-10-29 閲覧)


